【徹底考察】みんな大好き!『プラダを着た悪魔』が人気の理由3つ

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こんにちは!ブログをご訪問いただきありがとうございます!映画ブロガーのえです。

今回は2006年公開の映画『プラダを着た悪魔』を徹底考察します。公開から18年経った今も、女性たちに根強い人気を誇る同作。その人気ぶりから、2024年には続編の企画が進行中とのニュースが報じられました!

ファッション業界を舞台にした映画『プラダを着た悪魔』の続編企画が、ディズニーの下進行中だとDeadlineなどが報じた。プロデューサーはウェンディ・フィネルマン、脚本家はアライン・ブロッシュ・マッケンナとオリジナルのスタッフが手掛ける予定で、デヴィッド・フランケル監督に関しても現在交渉が行われているところだという。

引用元 シネマトゥデイ

のえ

私も大好きな作品!何度見ても元気をもらえますよね!

シネマネコ

こんなにもワレワレのハートをつかんで離さない理由は何にゃ?

のえ

原作も続編まで読了済みのワタクシのえが考察します!

この記事を読んで、『プラダを着た悪魔』を見る際、これまでよりもさらに作品を楽しんでいただければ嬉しいです。

目次

『プラダを着た悪魔』ってどんな映画?

『プラダを着た悪魔』の公開は2006年。「前に見てからだいぶ時間が経っているけど、どんな映画だったっけ?」そんな人も多いはず。まずは改めて『プラダを着た悪魔』の基本情報を振り返っていきましょう!

基本情報

原題The Devil Wears Prada
製作年2006
製作国アメリカ
上映時間110分
配給20世紀フォックス
劇場公開日2006年11月18日

あらすじ

大学を卒業したばかりのアンディ(アンドレアの通称)は、ジャーナリストになる夢をかなえるべくニューヨークへやってきた。大学の新聞部で腕を鳴らしたアンディだったが、採用されたのは世界一のファッション誌「ランウェイ」の編集長アシスタントの職。

伝説の編集長として恐れられるミランダのアシスタントは、世界中の女性が憧れる仕事だという。しかし実際には、傍若無人なミランダからパワハラまがいの無茶な要求を次々対応する日々。

「ミランダの元で一年を過ごせばどこでも通用する」という言葉を信じて孤軍奮闘するアンディだったが、次第に恋人や親友と溝ができていく。

キャスト・スタッフ

アンドレア・サックス役/アン・ハサウェイ

本作の主人公。ジャーナリスト志望で大学を卒業したばかり。通称アンディ。

1982年生まれ、アメリカ出身の俳優。『プリティ・プリンセス』(01)で映画に初主演し、2005年の第62回ヴェネチア映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞した『ブロークバック・マウンテン』(05)、『プラダを着た悪魔』(06)など話題作、人気作に出演。一躍トップスターとなった。その他の代表作に『レ・ミゼラブル』(12)、『インターステラ―』(14)、『マイ・インターン』(15)など。

ミランダ・プリーストリー役/メリル・ストリープ

ファッション誌「ランウェイ」の編集長。ファッション界に多大な影響を持つ。

1949年生まれ、アメリカ出身の俳優。1970年代から映画界で活躍し、アカデミー賞ノミネート回数は21回と史上最多のアメリカを代表する大女優の一人。代表作に『クレイマー・クレイマー』(79)、『ソフィーの選択』(83)、『マディソン郡の橋』(95)など。

エミリー・チャールトン役/エミリー・ブラント

ミランダの第一アシスタント。アンディの同僚。

1983年生まれ、イギリス出身の俳優。『プラダを着た悪魔』(06)でハリウッドに進出し、以降も『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(14)、『ボーダーライン』(15)など話題作に出演。代表作に『メリー・ポピンズ リターンズ』(18)、『クワイエット・プレイス』(18)、『オッペンハイマー』(23)など。

監督/デヴィッド・フランケル

1959年生まれ、アメリカ出身の監督、プロデューサー、脚本家。『プラダを着た悪魔』(06)、『マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと』(08)、『31年目の夫婦げんか』(12)など。

脚本/アライン・ブロッシュ・マッケンナ

1967年生まれ、アメリカ出身の監督、プロデューサー、脚本家。『恋とニュースのつくり方』(10)※脚本、『ANNIE アニー』(14)※脚本、『クルエラ』(21)※原案など。

原作/ローレン・ワイズバーガー

1977年生まれ、アメリカ出身の小説家。『ヴォーグ』の伝説的編集長アナ・ウィンターのアシスタントを勤めた経験から『プラダを着た悪魔』を書き上げ、一躍ベストセラー作家となった。その他邦訳作品に『パーティープランナー:一流セレブの集めかた』(早川書房、2006年)、『ハリー・ウィストンを探して』(早川書房、2009年)、『プラダを着た悪魔リベンジ!(上・下)』(早川書房、2015年/2017年)。

『プラダを着た悪魔』が人気の理由3つ

2024年のSAGアワード(全米映画俳優組合賞)の授賞式では、アン・ハサウェイ、メリル・ストリープ、エミリー・ブラントの『プラダを着た悪魔』主要キャストがプレゼンターとして登場し、ミニコントを披露。劇中のシーンを再現し、会場を大いに沸かせました。

一方日本最大級の映画レビューサイトFilmarksでも、『プラダを着た悪魔』は362,581件のレビューの平均が4.1(2025年3月12日現在)と高い評価を得ています。

華やかなファッション業界を描いている点や、好感度の高いアン・ハサウェイが主役であることも人気の理由ですが、『プラダを着た悪魔』が世界的な人気作となったのは、「お仕事ドラマ」として多くの人の共感を呼ぶからです。

ここからは『プラダを着た悪魔』がなぜ根強い人気を誇るのか、その理由を考察していきます。

※ここからはネタバレの内容を含みますので、作品鑑賞後の閲覧をおすすめします!

理由①アンディに共感しまくり。誰もが経験する「はじめて就職物語」だから

アン・ハサウェイ演ずる主人公のアンディの夢は、ジャーナリストになること。その夢を実現するため、大学卒業後ニューヨークにやって来たアンディでしたが、履歴書を大量にばらまいて声がかかったのはファッション誌「ランウェイ」のアシスタントの仕事でした。

ファッションに全く興味がないアンディでしたが、生活費のために背に腹は代えられない状況。奇跡的に「ランウェイ」に採用され、伝説の編集長としておそれられているミランダのアシスタントを勤めることになります。

初めて就職するアンディが直面するのは、国は違えど誰もが経験する、仕事の理想と現実のギャップです。夢を抱いて希望の仕事や会社に応募しても、最初からうまくいくことはなかなかないもの。自分の思い描く仕事と違っていても、縁があった仕事と妥協点を見つけてなんとか折り合いをつけるしかありません。映画の冒頭、アンディが恋人や友人たちとディナーをしている場面で、それぞれキャリアの一歩を踏み出したばかりの彼らはこう言って乾杯します。「家賃稼ぎの仕事に!」

しかも、新人に与えられる仕事と言えば電話の取次ぎや、雑用など一見誰にでもできそうと思える仕事がほとんど。もっと意義のある仕事がしたいと思っているアンディは、コーヒーの買い出しやミランダのお使いばかりさせられうんざりします。そんな中、ミランダの無理難題に応えられなかったアンディは、ミランダにこっぴどく叱られミランダの右腕ナイジェルに泣き言を漏らします。

ミランダや「ランウエイ」の功績を理解しようともしないアンディに、ナイジェルは「甘ったれるんじゃない」と一喝。自分の甘さに気づかされたアンディは、まずは形からでも職場に順応しようと決意します。ナイジェルのサポートで「ランウェイ」で働くにふさわしいファッションを身にまとうようになったアンディ。すると次第に仕事が好転していきます。

原作ではアンディが「ランウェイ」に合わせたファッションに変更するのは、激務の中日々の服選びに時間をかける気力がなくなったという理由。少々消極的に感じますが、小説版でも映画版でも「郷に入っては郷に従え」ということをアンディが学んだということです。

「どこまで自分を環境に合わせるか」というのも、職場でよく起こる葛藤の一つ。これはバランスの問題なので、もちろん自分の大切な価値観を曲げてまで会社に合わせる必要はありません。ただ、その組織の中で何とかやっていこうと思うのならば、相手の文化に敬意をもって受け入れることも大事ですよね。アンディが得た教訓は、新人だけでなくベテラン社会人にとっても役に立つものではないでしょうか。

理由②見るだけでモチベUP!ファッションと社会のカンケイが垣間見れるから

『プラダを着た悪魅』の感想には、「見るとモチベーションがあがる」「美容やファッションを頑張りたくなる」という声が多いですよね。好感度の高いアン・ハサウェイが、ハイファッションを次々着こなす姿はまさしく福眼!もともとファッションに興味のなかったアンディですが、バリキャリ女性ファッションに変身したことで仕事に対する気持ちも前向きになっていきます。

劇中アンディがまた友人たちと飲んでいる場面で、友人の一人であるダグは「ファッションは利便性じゃない。アクセサリーはアイデンティティの象徴なんだよ」と述べます。ダグのこの言葉は、ファッションの価値を信じるランウェイの同僚たちをバカにしていたアンディが、ファッションは自己表現であると身をもって理解したことを代弁するセリフだと思います。

実際『プラダを着た悪魔』の衣装は、それぞれの俳優の個性を活かしつつ、劇中のキャラクターの特徴を見事に表現していました。衣装を担当したのは、大人気ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』や『エミリー、パリへ行く』の衣装担当で知られるパトリシア・フィールド。ニューヨーク出身の有名スタイリストで、シューブランド「マノロ ブラニク」を世界的に有名にしたことでも知られます。

パトリシア・フィールドはグッドガールな雰囲気のアン・ハサウェイはシャネル、貫禄溢れるメリル・ストリープはダナ・キャラン、野心的な美女を演じるエミリー・ブラントはリック・オーウェンスなど、役柄と役者たちに合わせブランドをチョイス。その衣装費用はなんと10万ドル(約1億円)なんだとか!でもこの作品の衣装の魅力は、単に高級ブランドが次々に登場するだけではなく、ファッションと社会の関係性を表現している点にもあります。

まずアンディが「変身前」に着ていたセルリアンブルーのセーター。ミーティング中、ミランダとスタッフたちが似たような青のベルトを巡って議論しているのを見て、アンディは「その二本のベルトは私には同じに見える」と嘲笑します。それを聞いたミランダは、アンディが着ているセーターはランウェイの作った市場の延長にあるものだと説明し、ファッションが社会に与える影響に無自覚なアンディに静かな怒りを見せます。

「変身後」のアンディがよく身に着けているシャネルは、女性の社会進出を後押しする革新的なアイテムをいくつも生み出してきたブランド。階級に寄らずモードな装いを表現するために作られた、コスチュームジュエリーやリトルブラックドレスは時代を超えた定番となっていて、劇中アンディも身に着けています。『プラダを着た悪魔』を見てファッション欲が刺激されるのは、ファッションが自分を美しく見せてくれることはもちろん、自分の内面をも表現するものだと私たちが直感しているからではないでしょうか。

とはいえ、おしゃれに気を遣うことがファッションの唯一の正解ではありません。ミランダのパリコレ出張に同行したアンディは、タイトでセンシュアルな黒のセットアップを完璧に着こなします。その変貌ぶりに「自分の役目は終わった」とアンディを手放しで誉めるナイジェル。ついにアンディはランウェイにふさわしいファッショニスタになったのです。でも、鏡に向かって自分の変化に思いを馳せるアンディは浮かない顔。結局のところ、いくら他人に褒められても、自分が自分らしくいられることがファッションにおいて何より大事なのかもしれません。

理由③ミランダにも一理ある!?人生で何を大事にするか?を考えさせてくれるから

現在の基準で言えば、パワハラ上司で一発アウトのミランダ。にもかかわらず、このキャラクターがいまだに人気なのは、ミランダの仕事に対する向き合い方にも学べる面があるからです。

ミランダが恐れられているのはただわがままな人だから、というだけではありません。ミランダは、その圧倒的な審美眼で「ランウェイ」を成功に導いてきました。そのためにはいくら多くの労力やコストがかかった仕事であっても、仕上がりが納得いかなければ躊躇なくやり直しをさせます。劇中のミランダほど気遣いがないのは問題ですが、チームの成功のために難しい判断や、辛い決断を求められることはどこの世界にもあること。ミランダの徹底したプロ意識に触れて、アンディも次第にプロらしく成長していきます。

主体的に仕事をこなし、ミランダに認めてもらえるようになったアンディでしたが、仕事を優先するあまり恋人や友人とうまく行かなくなってしまいます。私生活が危機だと嘆くアンディに、ナイジェルがかけた「仕事が上達するとみんなそうなる。全私生活が崩壊するよ。昇進の時期だ」というセリフにギクリとする人は多いはず。おまけにパリコレ出張を横取りする形になってしまい、せっかく勝ち取ったエミリーの信頼まで失いまさしく孤立無援状態。仕事が上向き始めたアンディは、ビジネスパーソンの永遠の課題「仕事かプライベートか問題」に突入していくことになります。

ファンション業界で女王として君臨するミランダは、キャリアにおいては最高潮にいるものの、プライベートも同じように順調とはいかない様子。度重なる離婚に、さすがのミランダも珍しくアンディに弱みを見せます。ワークライフバランスなんて考えず、自分の人生をすべて仕事に振り切っているミランダの姿に、アンディは働く女性の先輩として敬意を感じるようになります。

物語の終盤、ミランダを貶める策略を知ったアンディは、ミランダを助けようと奔走します。自分への忠誠心を見せたアンディにミランダは「あなたは私に似てる」と一言。動揺したアンディは、自分の腹心であるナイジェルに平気でひどい仕打ちを行うミランダと自分は違うと反論します。それを聞いたミランダは、エミリーを踏み台にしてパリ出張に同行したアンディの選択は同じことだと指摘。皮肉にもミランダの言葉で、すべては自分の選択次第だということに気づかされたアンディはミランダのもとを去ります。

現代において、ワークライフバランスは絶対に大事なものです。しかし高いキャリアを目指したいと思うときに、多かれ少なかれ私生活が犠牲になることはどうしてもあること。ミランダは、「ランウェイ」編集長としてのキャリアに、微塵も疑いを持っていません。アンディはミランダから、私生活を犠牲にしてまで何を得たいのか、自分の大事にしたい価値観は何なのか、自分の信念をしっかり持つことを学んだのではないでしょうか。

まとめ

今回は『プラダを着た悪魔』が人気の理由について考察しました。

シネマネコ

やっぱり人気作なのには理由があるんだニャ

のえ

働く上で大事にしたい気付きがたくさんある作品!

『プラダを着た悪魔』がもはや名作と言われているのには、アンディ、ミランダを始め、劇中のキャラクターがイキイキと描かれていることはもちろん、ストーリーの展開についても見る人によって色々な受け取り方ができる点にあります。

アンディはミランダのアシスタントとして一年働くことを目標としていましたが、結局数か月で辞めることに。しかし、アンディがミランダのもとで仕事を続けたほうがよかったのか、自分に合わない仕事はさっさと辞めてよかったのか、どちらかが正解ということはないと思います。自分が納得して決めたことであれば、どちらを選んだとしてもアンディの成長には繋がるはずです。

「人生には唯一の正解はなく、自分の選択が正解になる」

『プラダを着た悪魔』にはそんな力強いメッセージが込められているのではないでしょうか。続編も楽しみです!

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この記事を書いた人

子供のころから映画の虜。
映画好き歴は約30年。
女性が「何か観ようかな?」と思ったときにおすすめの、女性が主役の映画や女性監督作品を中心にご紹介します。

映画好きが高じて学生時代は自主映画制作をしたり、現在もシナリオを書いてコンクールに応募したり。

好きな映画は『タイタニック』『イヴの総て』『もののけ姫』『君の名前で僕を呼んで』『ノマドランド』『レディ・バード』『ペイン・アンド・グローリー』などなど。
好きな監督はホウ・シャオシェン、ペドロ・アルモドバル、ジョン・ヒューズ、ルカ・グァダニーノ、グレタ・ガーウィグ、ナンシー・マイヤーズなどなど。

カフェと純喫茶が大好きです。
関東出身、在住。

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