「君の名前で僕を呼んで」で一躍世界的映画監督となったルカ・グァダニーノ。
そんなグァダニーノ監督の新作「Queer」が2024年、第81回ヴェネチア国際映画祭で初公開されました。
「Queer」は「裸のランチ」でも知られるアメリカのビートニク作家、ウィリアム・バロウズの小説が原作で、ダニエル・グレイグが主演と聞けば、否が応でも期待が高まります!
「Queer」公開前に予習・復習したい、グァダニーノ作品をご紹介します。
「君の名前で僕を呼んで」(2017)
「君の名前で僕を呼んで」あらすじ
1980年代の北イタリア。17歳のエリオ(ティモシー・シャラメ)は、考古学者の父と母とともに、夏の間別荘に来ていた。毎年父は助手を雇っていたが、その年はアメリカ人大学院生オリヴァー(アーミー・ハマー)が雇われ、エリオが過ごす別荘に住み込みで働くことになった。
自由気ままで開放的なオリヴァーにはじめ反感を持っていたエリオだったが、次第にオリヴァーに心惹かれていき・・・
「君の名前で僕を呼んで」見どころ
主演のティモシー・シャラメを国際的スター俳優に押し上げた今作、とにかくティモシーの魅力が爆発!自分のセクシュアリティをまだ自覚していない青年エリオを繊細に演じています。
またこんなヴァカンス、人生で一度は過ごしてみたいなぁと思わせる、北イタリアの夏の風景の数々。
ちょい懐かしい80年代ファッションも、ティモシーが着るとおしゃれに見えるからアラ不思議。
「ボーンズ・アンド・オール」(2022)
「ボーンズ・アンド・オール」あらすじ
生まれたときから人食いのマレン(テイラー・ラッセル)は、衝動が抑えられず事件を起こしては父親とアメリカ国内を転々としていた。
父親に見限られ天涯孤独となったマレンは、幼いころに離れ離れになった母親を探そうと一人旅に出る。
旅の途中で同じく人食いのリー(ティモシー・シャラメ)と出会い、二人は次第にひかれあっていく。そんな二人の逃避行に、マレンに執着する人食いの老人サリーの存在が暗い影を落とす。
「ボーンズ・アンド・オール」見どころ
人食いたちのラブストーリーと聞いて嫌煙することなかれ、一部人食のシーンはありますが、露悪的なグロテスクさは抑えめ。ロードムービーらしい美しい景色の中で、マレンとリーが互いを必要としながら大人へと成長していく様子が丹念に描かれています。
グァダニーノ監督と二度目のタッグとなるティモシー演じるリーのキャラクターが生き生きとしていて目が離せないのは言うまでもないですが、テイラー・ラッセル演ずるマレンの、静かに自分の信念を持った表情に引き込まれます。
テイラー・ラッセルはA24の若者向けプレイリストムービーこと「WAVES」で、恋人を死なせてしまった兄を持つ妹のエミリーを演じ、その複雑な心情を見事に体現していました。
今後大注目の俳優、テイラー・ラッセルの名刺代わりとなる作品で、テイラーは本作にて第79回ヴェネチア国際映画祭で新人俳優賞を受賞しました。
「チャレンジャーズ」(2024)
「チャレンジャーズ」あらすじ
幼いころから将来を有望視されてきた女子テニスプレーヤーのタシ(ゼンデイヤ)は、同世代でダブルスを組んでいたパトリック(ジョシュ・オコナ―)とアート(マイク・ファイスト)というタイプも性格も違う青年たちと仲良くなる。
試合中の大けがで選手生命を絶たれてしまったタシ。そんなタシを支えたのは、積極的だがケンカが絶えなかったパトリックではなく、優しいアートだった。
アートと結婚し、アートのコーチとなったタシ。
アートはプロテニスプレーヤーとして成功し、コーチとしても妻・母としても充実しているように見えるタシだったが、好戦的でハンターのような彼女はテニスプレーヤー時代のスリルと興奮が忘れられず・・・
「チャレンジャーズ」見どころ
三角関係を描く作品とあって、女性ならタシに共感できる、どちらも魅力的でかつ女性をイライラさせる(笑)パトリックとアートのキャラクターがうまく表現されています。
行動力があって積極的なのが魅力だが、先を何も考えていないパトリックと、王子様然とした優しいイケメンだが何か物足りないアート。
10年以上に渡る3人の関係の総決算のような、パトリックとアートの決勝戦。手に汗握る緊張感をアドレナリン全開のテーマ曲がさらに盛り上げます。
JWアンダーソン・ロエベのデザイナー、ジョナサン・アンダーソンが手掛ける衣装も一見の価値ありです。